「歯と歯の間に食べかすが…」を甘く見ると危険!歯周病・口臭を招く3つのサイン

食後の違和感や歯ぐきの衰えは、口腔機能が低下する「オーラルフレイル」のサインかもしれません。更年期以降の唾液減少や歯の経年劣化のリスクと、一生自分の歯で食べるための対策を解説します。

◇更年期世代をおそう、口腔機能の低下「オーラルフレイル」とは?

最近、「食事をした後に口の中が汚れている感じがする」「以前に比べて歯茎が下がってきた」「歯と歯の間に食べかすが挟まりやすくなった」と感じることはないでしょうか。実はこれらは、歯を含めた口腔機能の低下「オーラルフレイル」を意味していると、歯科医の照山裕子先生は指摘します。40代後半、更年期を自覚し始めたころから変化を感じ始める人が増えるといいます。

この世代の口腔内の問題には、大きく分けて2つあります。一つは唾液量の低下です。男性も唾液量は低下しますが、女性は女性ホルモンのエストロゲンが唾液分泌に関係しているため、閉経間際から唾液量が顕著に低下します。ドライマウスになる人も少なくありません。唾液は咀嚼に欠かせないもので、食べ物をまとめて飲み込みやすくする働きを持っています。そのため、唾液量の減少が咀嚼力の低下にもつながります。また、量だけでなく質も変化し、サラサラとした唾液の分泌が減り、ネバネバした唾液の量が増加します。こうした変化から、口腔内の洗浄作用も低下し、口臭が強くなったり、歯周病の発症リスクが高まります。

◇体重ほどの圧がかかる大臼歯にも注意

唾液の減少以外にも、40代頃から変化し始めるのが、歯そのものの寿命です。現在使っている歯は、子どものころに永久歯に生え替わり、使い続けているものです。40年前後使い続けている歯には、経年劣化のダメージが蓄積している可能性があると照山さんは指摘します。

特に劣化が激しいのは、上下左右の両奥にある大臼歯と呼ばれる歯です。中でも、親知らずの2つ手前の第一臼歯は6歳のころに生え替わった永久歯で、歯の中で最もキャリアが長い存在です。この歯は磨きにくい位置にあり、虫歯や歯周病で失うことも少なくありません。また、大臼歯には常に自分の体重ほどの圧がかかっているため、細かいヒビが入っていることも多く、それが歯周病を誘発し、歯が抜ける原因になることもあります。大臼歯は噛み合わせの要とも呼ばれる重要な歯で、この部分を失うと歯並びにも大きな影響を及ぼします。

◇歯周病が糖尿病や認知症に影響する?

照山先生によれば、歯の老化は他の部分に比べて少し早くやってくると考えてほしいとのことです。特に歯周病は現在「全身病」と呼ばれ、糖尿病や脳梗塞、心臓病、がん、認知症などに影響していることが分かってきています。「たかが歯周病」と放置すれば、大きな問題になることもあるのです。また、過去に治療した歯の劣化が始まっている可能性もあります。問題が起きてから慌てるのではなく、まずは自分の歯の状態を知ることが大切です。

◇大人世代がなりやすい2つの虫歯の特徴

子どものころは虫歯に悩まされていたのに、大人になって虫歯が減ったという人も多いでしょう。これは歯磨きの改善や治療の効果に加え、歯の表面のエナメル質が成熟して硬くなることで、歯の表面に虫歯ができにくくなるためです。

大人の場合、歯の表面が糖などによって溶けて虫歯になることは少なくなります。その一方で、歯と歯の間にできる「隙間虫歯」や、年齢とともに歯茎が下がって歯の柔らかい根元が露出することで起こる「根元虫歯」が増加します。また、過去に治療した詰め物やかぶせ物が劣化し、その下に虫歯ができるケースもあります。治療が終わったらそこで終了ではなく、定期的な歯科検診やメンテナンスを行うことで、虫歯を予防することが可能です。

◇まとめ

歯や口腔の健康は、全身の健康に直結します。小さな違和感や変化を軽視せず、早めのケアと定期的な歯科受診を心がけることが、生涯にわたって自分の歯で食事を楽しむための第一歩となるでしょう。更年期以降は特に口腔環境が変化しやすい時期ですので、日頃からの意識と対策が大切です。

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