血糖値スパイクとは?食事の選び方・食べ方と食後の対策

食後の眠気や、健診だけではわからない血糖値の変化が気になる方もいるでしょう。ただし、眠気だけで血糖値スパイクとは判断できません。

今回は、あすけん栄養士が、血糖値スパイクの基本と、糖質を極端に減らさず取り入れられる食事・生活の工夫を解説します。

血糖値スパイクとは?

血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急上昇し、その後急激に低下する現象を指す言葉です(※1)。

そもそも血糖値とは、血液中のブドウ糖の濃度のことです。食事に含まれる糖質が消化・吸収されると血糖値が上昇し、通常はインスリンというホルモンの働きによって下がっていきます。

しかし、インスリンの分泌や働きが不十分な場合などは、食後の血糖値が高くなりやすくなります。このように、食後の血糖値が通常より高くなる状態が「食後高血糖」です。

血糖値スパイクでは、血糖値が高くなるだけでなく、その後の急激な低下も含めた大きな変動が、カラダに悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。

健康診断では、食後10時間以上経った空腹時の血糖値を測定することが多いため、食後の血糖値の変動に気づきにくい場合があります。

血糖値の基準値は?

日本糖尿病学会の「糖尿病診療ガイドライン2024」では、空腹時血糖値について、以下の数値が示されています(※2)。

正常域:110mg/dL未満(100~109mg/dLは正常高値)

境界型が疑われる範囲:110~125mg/dL

糖尿病型:126mg/dL以上

また、国際糖尿病連合(IDF)のガイドラインでは、食後1~2時間の血糖値が140mg/dLを超える状態を「食後高血糖」としています(※3)。

ただし、食後高血糖の目安は糖尿病の診断基準とは異なります。また、糖尿病の診断は、空腹時血糖値だけでなく、HbA1cや75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)などの結果も踏まえて行われます。

血糖値スパイクが起きると、どうなるの?

血糖値スパイクが繰り返し起こると、将来の健康に影響する可能性があります。

食後高血糖や血糖値の大きな変動は、血管に負担をかけ、動脈硬化を進める要因のひとつです。また、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクとの関連も指摘されています。

さらに、血糖値スパイクを繰り返すことは、将来の糖尿病発症リスクとも関連すると考えられています(※1)。

食後の眠気は血糖値スパイクが原因?

食後に強い眠気やだるさを感じると「血糖値スパイクが起きているのでは?」と心配になるかもしれません。

しかし、血糖値の変動と食後の眠気との関係は、まだ十分に明らかになっていません(※4)。食後の眠気には、睡眠不足や食事の内容など、さまざまな要因が関係します。

眠気だけで血糖値スパイクが起きていると判断することはできないため、気になる症状が続く場合は医療機関に相談しましょう。

血糖値スパイクを調べるには?

血糖値スパイクが起きているかどうかを調べるには、医療機関で検査を行う方法などがあります。

検査の必要性や方法は健康状態によって異なるため、医師の判断に従ってください。

健康診断で血糖値を指摘された方や、血糖値が気になる方は医療機関に相談してみましょう。

血糖値スパイクが起こりやすい食事・食べ方とは?

食後の血糖値の上がり方は、食事の内容や食べ方によって変わります。特に、糖質を一度に多く摂る食事では、血糖値が急激に上昇しやすくなります。

例えば、次のような食生活を送っていないか振り返ってみましょう。

<血糖値スパイクが起こりやすい食事・食べ方の例>

●おにぎりやパン、麺類だけで食事を済ませる

●ご飯と麺類など、主食を重ねて食べる

●甘い飲み物をよく飲む

●早食いする

●朝食を抜き、昼食にまとめてたくさん食べる

血糖値が気になるからといって、ご飯やパンなどの糖質を極端に避ける必要はありません。糖質の量だけでなく、食事の組み合わせや食べ方を工夫することがポイントです。

血糖値スパイク対策!食べ方や普段の生活で意識したい5つのポイント

血糖値の急上昇を抑えるには、食事の組み合わせや食べる順番、食後の過ごし方を工夫することが大切です。

毎日の生活で取り入れやすい5つのポイントを紹介します。

1.主食の量を見直し、主菜・副菜を組み合わせる

ラーメンとチャーハン、うどんとおにぎりなど、炭水化物を重ねて食べると糖質の摂取量が多くなりやすいため、注意しましょう。

例えば、ラーメンとチャーハンを組み合わせるより、ラーメンに野菜のおかずを添えるほうが、糖質の重ね取りを避けられます。

また、肉・魚・卵・大豆製品などの主菜や、野菜・きのこ・海藻類などを使った副菜を組み合わせるのもポイントです。

主食は適量を心掛け、主菜・副菜の揃ったバランスのよい食事を心掛けましょう。

2.食べる順番とスピードを意識する

食後の血糖値の上昇を穏やかにするには、 食べる順番も工夫してみましょう 。

野菜や肉・魚などのおかずを先に食べ、ご飯やパンなどの炭水化物を最後に食べることで、食後の血糖値の上昇を抑えられる可能性があります。

また、早食いを避け、よく噛んでゆっくり食べることも意識しましょう。

3.3食をなるべく規則正しく食べる

朝食を抜くなど、食事の間隔が長く空くと、次の食事で血糖値が上がりやすくなる場合があります。また、空腹による食べすぎにもつながりかねません。

できるだけ欠食を避け、朝・昼・夕の3食を規則正しくとるよう心掛けましょう。

忙しい朝は、おにぎりとゆで卵、パンとヨーグルトなど、手軽に準備できる組み合わせでも構いません。無理なく続けられる朝食の習慣を作ってみましょう。

4.間食や甘い飲み物は控えめに

菓子類や砂糖を多く使った飲み物を頻繁にとると、糖質の摂取量が多くなりやすくなります。

特に清涼飲料水などの甘い飲み物は、短時間で多くの糖質を摂りやすく、血糖値が急激に上がりやすい点に注意が必要です。

普段飲んでいる甘い飲み物を水やお茶に替えるだけでも、糖質の摂取量を減らせます。

また、間食を楽しむ際は、量や回数を決めることも大切です。無糖ヨーグルトやナッツなど、糖質に偏りにくい食品を選ぶのもよいでしょう。

5.食後はこまめにカラダを動かす

食後にカラダを動かすことも、血糖値の急上昇を抑える対策のひとつです。

カラダを動かすと筋肉でブドウ糖が利用されるため、食後の血糖値の上昇を抑えやすくなります。

運動の時間を特別に設けなくても、日常生活の中で活動量を増やす工夫ができます。

例えば、次のような活動がおすすめです。

<取り入れやすい身体活動の例>

●食後に少し散歩する

●食器を片付けたり、掃除をしたりする

●座りっぱなしを避け、こまめに立ち上がって歩く

まずは食後に座って過ごす時間を少し減らすなど、取り組みやすいところからはじめてみてください。

血糖値スパイクが気になるときは食事と食後の過ごし方を見直そう

血糖値スパイクの対策には、日ごろの食生活や運動習慣が大切です。

炭水化物に偏った食事を避ける、ゆっくり食べる、食後に少し歩くなど、無理なく取り組める方法からはじめてみましょう。

なお、血糖値が気になる方や健康診断で血糖値を指摘された方は、医療機関に相談してください。また糖尿病の治療中や服薬中の方は、主治医の指示を優先しましょう。

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