家賃を払い続けるくらいなら、家を買ったほうが得」
一度は聞いたことがある話ではないでしょうか。
反対に、「人口が減って家が余るのだから、これからは賃貸のほうが身軽でいい」という考え方もあります。
では、2026年の今、久喜で暮らすならどちらが正解なのでしょうか。
先に結論を言うと、持ち家と賃貸のどちらが得かを、支払総額だけで決めることは難しくなっています。
特にこれから重要なのは、「毎月いくら払うか」だけではありません。
20年後、その家にまだ住んでいるのか。住まなくなったとき、その家はいくらで売れるのか。
ここまで考えると、持ち家と賃貸の見え方はかなり変わります。
今回は2026年9月時点の住宅ローン金利、久喜の家賃、人口や地価のデータを確認しながら、2040年代まで見据えて考えてみます。
2026年、「持ち家のほうが得」と簡単には言えなくなった
少し前までの日本は、非常に低い金利で住宅ローンを借りられる時代が長く続いていました。
しかし、状況は変わっています。
日本銀行は2026年9月時点で、無担保コール翌日物金利を1.0%程度で推移させる方針としています。全期間固定金利の「フラット35」も、2026年9月の21~35年返済の最頻金利は**年3.46%**です。
もちろん、「住宅ローンを借りる人がみんな3.46%を払っている」という意味ではありません。
住宅金融支援機構の2026年1月調査では、2025年4~9月に住宅ローンを借りた人のうち、75.0%が変動金利型を選んでいました。また、実際の借入金利は「年0.5%超~1.0%以下」が53.4%で最も多くなっています。
つまり現在は、
低めの変動金利を選ぶ代わりに将来の金利上昇リスクを負うのか、最初から高めの固定金利で返済額を確定させるのか
という選択も、住宅購入の大きな判断材料になっています。
4,000万円借りると、金利だけでこれほど違う
仮に4,000万円を35年間、元利均等返済・ボーナス返済なしで借りるとします。
金利が返済期間中ずっと同じだったと仮定した単純計算では、次のようになります。
金利 毎月の返済額 35年間の返済総額
年1.0% 約11.3万円 約4,742万円
年2.0% 約13.3万円 約5,565万円
年3.46% 約16.4万円 約6,904万円
※年1.0%・年2.0%は比較のための仮定です。年3.46%は2026年9月のフラット35(21~35年)の最頻金利を使っています。融資手数料、保証料、団体信用生命保険の条件などは考慮していません。
同じ4,000万円の家でも、金利によって返済総額は2,000万円以上変わる可能性があります。
だから、昔の低金利を前提にした「家賃と住宅ローンを比べれば、買ったほうが得」という計算を、そのまま2026年に当てはめることはできません。
現実の家賃から考える
一方、賃貸についても現実の家賃から考える必要があります。
2026年9月2日時点で、CHINTAIが掲載物件から算出している久喜駅徒歩20分以内の3LDKの家賃相場は9.2万円です。ニフティ不動産では、久喜市全体の3LDKの掲載物件平均が10.42万円となっています。集計する物件や条件が違うため、どちらかを「久喜の正しい平均家賃」と断定することはできませんが、ファミリー向け住宅なら月9~10万円前後も1つの目安になります。
そこで、分かりやすく月10万円の賃貸住宅に住むケースを考えてみます。
家賃が20年間まったく変わらなければ、
10万円 × 12か月 × 20年 = 2,400万円
です。
毎年1%ずつ家賃が上昇すると仮定すると、20年間では約2,642万円になります。
もちろん賃貸には更新料や引っ越し費用などがあります。
一方、持ち家にも固定資産税、火災・地震保険、外壁や屋根、給湯器、水回りなどの修繕費がかかります。
そのため、住宅ローンの返済額と家賃だけを並べても、本当の意味での「どちらが得か」は分かりません。
そして、もう1つ大きな違いがあります。
20年間家賃を払った賃貸には資産が残りませんが、持ち家には土地と建物が残ります。
問題は、その資産が20年後にいくらの価値を持っているかです。
20年後にも、住宅ローンはまだかなり残っている
先ほどの4,000万円・35年ローンを、そのまま20年間返済した場合のローン残高も計算してみます。
金利 20年後のローン残高
年1.0% 約1,887万円
年2.0% 約2,059万円
年3.46% 約2,306万円
35年ローンなら、20年住んでもまだ2,000万円前後の借金が残っています。
ここで大事なのが、家の売却価格です。
20年後に3,000万円で売れる家と、1,500万円でしか売れない家では、同じ4,000万円で買ったとしても家計に残るものが大きく違います。
つまり、これから家を買うなら、
「家を買うか、賃貸にするか」だけではなく、「どんな家を買うか」まで考えないと、本当の比較にならない
ということです。
Advertisement
Advertisement
